49 力ある方が、 私に大きなことをしてくださいました。 その御名はきよく、
50 そのあわれみは、主を恐れかしこむ者に、 代々にわたって及びます。
51 主は、御腕をもって力強いわざをなし、 心の思いの高ぶっている者を追い散らし、
52 権力ある者を王位から引き降ろされます。 低い者を高く引き上げ、
53 飢えた者を良いもので満ち足らせ、 富む者を何も持たせないで追い返されました。
54 主はそのあわれみをいつまでも忘れないで、 そのしもべイスラエルをお助けになりました。
55 私たちの先祖たち、アブラハムとその子孫に 語られたとおりです。」
56 マリヤは三か月ほどエリサベツと暮らして、家に帰った。
57 さて月が満ちて、エリサベツは男の子を産んだ。
58 近所の人々や親族は、主がエリサベツに大きなあわれみをおかけになったと聞いて、彼女とともに喜んだ。
59 さて八日目に、人々は幼子に割礼するためにやって来て、幼子を父の名にちなんでザカリヤと名づけようとしたが、
60 母は答えて、「いいえ、そうではなくて、ヨハネという名にしなければなりません。」と言った。
61 彼らは彼女に、「あなたの親族にはそのような名の人はひとりもいません。」と言った。
62 そして、身振りで父親に合図して、幼子に何という名をつけるつもりかと尋ねた。
63 すると、彼は書き板を持って来させて、「彼の名はヨハネ。」と書いたので、人々はみな驚いた。
64 すると、たちどころに、彼の口が開け、舌は解け、ものが言えるようになって神をほめたたえた。
65 そして、近所の人々はみな恐れた。さらにこれらのことの一部始終が、ユダヤの山地全体にも語り伝えられて行った。
66 聞いた人々はみな、それを心にとどめて、「いったいこの子は何になるのでしょう。」と言った。主の御手が彼とともにあったからである。
67 さて父ザカリヤは、聖霊に満たされて、預言して言った。
68 「ほめたたえよ。イスラエルの神である主を。 主はその民を顧みて、贖いをなし、
69 救いの角を、われらのために、 しもべダビデの家に立てられた。
70 古くから、その聖なる預言者たちの口を通して、 主が話してくださったとおりに。
71 この救いはわれらの敵からの、 すべてわれらを憎む者の手からの救いである。
72 主はわれらの父祖たちにあわれみを施し、 その聖なる契約を、