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新改訳新約聖書(1965年版) - 使徒の働き - 使徒の働き 27

使徒の働き 27:17-43

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17小舟を船に引き上げ、備え綱で船体を巻いた。また、スルテスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて、船具をはずして流れるに任せた。
18私たちは暴風に激しく翻弄されていたので、翌日、人々は積荷を捨て始め、
19三日目には、自分の手で船具までも投げ捨てた。
20太陽も星も見えない日が幾日も続き、激しい暴風が吹きまくるので、私たちが助かる最後の望みも今や絶たれようとしていた。
21だれも長いこと食事をとらなかったが、そのときパウロが彼らの中に立って、こう言った。「皆さん。あなたがたは私の忠告を聞き入れて、クレテを出帆しなかったら、こんな危害や損失をこうむらなくて済んだのです。
22しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです。
23昨夜、私の主で、私の仕えている神の御使いが、私の前に立って、
24こう言いました。『恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。そして、神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです。』
25ですから、皆さん。元気を出しなさい。すべて私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。
26私たちは必ず、どこかの島に打ち上げられます。」
27十四日目の夜になって、私たちがアドリヤ海を漂っていると、真夜中ごろ、水夫たちは、どこかの陸地に近づいたように感じた。
28水の深さを測ってみると、四十メートルほどであることがわかった。少し進んでまた測ると、三十メートルほどであった。
29どこかで暗礁に乗り上げはしないかと心配して、ともから四つの錨を投げおろし、夜の明けるのを待った。
30ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとして、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていたので、
31パウロは百人隊長や兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたも助かりません。」と言った。
32そこで兵士たちは、小舟の綱を断ち切って、そのまま流れ去るのに任せた。
33ついに夜の明けかけたころ、パウロは、一同に食事をとることを勧めて、こう言った。「あなたがたは待ちに待って、きょうまで何も食べずに過ごして、十四日になります。
34ですから、私はあなたがたに、食事をとることを勧めます。これであなたがたは助かることになるのです。あなたがたの頭から髪一筋も失われることはありません。」
35こう言って、彼はパンを取り、一同の前で神に感謝をささげてから、それを裂いて食べ始めた。
36そこで一同も元気づけられ、みなが食事をとった。
37船にいた私たちは全部で二百七十六人であった。
38十分食べてから、彼らは麦を海に投げ捨てて、船を軽くした。
39夜が明けると、どこの陸地かわからないが、砂浜のある入江が目に留まったので、できれば、そこに船を乗り入れようということになった。
40錨を切って海に捨て、同時にかじ綱を解き、風に前の帆を上げて、砂浜に向かって進んで行った。
41ところが、潮流の流れ合う浅瀬に乗り上げて、船を座礁させてしまった。へさきはめり込んで動かなくなり、ともは激しい波に打たれて破れ始めた。
42兵士たちは、囚人たちがだれも泳いで逃げないように、殺してしまおうと相談した。
43しかし百人隊長は、パウロをあくまでも助けようと思って、その計画を押え、泳げる者がまず海に飛び込んで陸に上がるように、

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